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2011年1月 7日 (金)

FF14とマーケティング

<<相変わらず忙しいですが、そろそろ一段落しそうです。>>

お久しぶりです、雷鳥です。
最近仕事でマーケティングまがいの事もやってるのですが、この勉強も中々面白いです。

製造業の人、とくに研究開発に近い仕事をしている人にとっては馴染みのある言葉だと
思いますが、ここ10年位頻繁に言われているのが「プロダクトアウト」指向から
「マーケットイン」指向へ、という論調ですね。

以下、非常にザックリした説明になりますが、
「プロダクトアウト」とは、開発者が良いと思うものを作り
市場へ提供していくこと
「マーケットイン」とは、市場で望まれているものを(顧客の欲するもの)を調べた上で
開発し、市場へ提供すること

を指しています。

どうでしょう。こう言われるとなんとなく
「マーケットイン」の方が良さそうですよね。
だって「プロダクトアウト」は顧客のニーズを考えずに、
客の居ないマーケット向けに作っちゃう可能性もあるわけで。

ところが良く考えると、そもそも対立する概念かどうか怪しい二つを二者択一で
論ずるところがオカシイ。
#オカシイというよりも、営業サイドが思考停止するための旗印になっている印象。
「売れる商品を作らない開発が悪い」


「開発者が良いと思うもの」に、顧客のニーズを(暗黙知として、あるいは深い洞察力で、
あるいは鋭い感性で)把握した上で発想されたものが無いとはいえない、という論。

良く例に出されていたのが任天堂のWii。
あれは顧客のニーズを敏感に察知した上でのプロダクトアウト(既存マーケットが
無いという意味で)ではあるが、おそらく既存の家庭用ゲーム機マーケットでいくら
アンケートを取ったところで出てこない製品である。
逆にアンケートに忠実に従うことで出てくるのは、おそらく徹底した高機能を追及した
マシン(X-BOXやPS)でしょう。
勝者がどちらか、論ずるまでもありませんね。

同じく、モスバーガーのお客さんにアンケートを行って、
「もっと注文から商品が出てくるまでの時間を短くして」
「こんなにボリューム無くていいから食べやすい形に」
「ドライブスルーがあればいいのに」
「ポテトは細くていいからもっと安く」
という回答があったとしよう。
この通りの改善(?)を行った結果出来上がる店は、、、、、、マクドナルドですよね。
(決してマックが悪いと言っているわけではなく、自らの長所をスポイルして総花的な店に
する必要は無いと。平均値で勝負されたら、店舗経営から接客までマニュアル化され
全世界で調達網を持つマックに勝てるわけが無い)

つまり、「マーケットイン」と「プロダクトアウト」は
対語ではないのです。
マーケティング結果を、事実を示したデータとしてしか読み解く力のない人や組織が、
いくら「マーケットイン」と言ったところで二番煎じ三番煎じの商品が生み出されるだけ。
しかも多数の競合製品との苛烈な価格競争が待っている。
(認知度の高いブランドを持つ巨大資本のメーカーが耐久消費財などを作るならアリだが)
マーケットの動向や人間の本然的な欲求を洞察できる人や組織なら、そこから生み出される
商品はマーケティング結果からだけでは決して生み出されることの無いヒット商品に
なる(可能性がある)。
その力が無ければ、単なる独り善がりの商品になるわけです。

さて、勘の良い方はもう気づかれたと思います。
FFXIVのアンケートが行われましたね。
元々FFシリーズは開発者がやりたいことをやった結果ヒットした商品。
#ゲームの世界では比較的そういうのは多いですよね。
#ロシアの青年が作ったテトリスしかり、京大生が作った平安京エイリアンしかり。
#FFの映画は蛇足でしたけど。。
一方でマーケットの動向から潜在的な顧客のニーズを汲み取る能力を持つ開発者が開発し、
大成功を納めたのがドラクエでしょう。

今やどちらもゲームマーケットにおける看板ブランドです。マーケットの要求通りの製品を
作っていれば程度は売れるはずで、そこはキチンとやって欲しいと思います。
#発売時点では製品の体をなしていませんでしたがw
ですが、それだけでは世界的なヒット製品には勝てない、とも言えます。
FFをFFたらしめているとも言える「新機軸への挑戦」
はあきらめないで欲しいと思います。

・・・独り善がりにならない範囲で。

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